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オーディオとは?/ アイフル

[ 317] オーディオの科学
[引用サイト]  http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/Audio.htm

このページの目的は、あまりお金をかけずに演奏会にできるだけ近い雰囲気で家庭で音楽を再現するために、どのようなオーディオ装置を構築すればよいかを物理学的、技術的側面から検討したものです。(より詳しくは、コラム『高忠実度再生と良い音』をみて下さい)
コラム:低周波発振器の効用、高忠実度再生とよい音 、科学的とはどういうことか?、音は脳で聴く、天動説から地動説へ、そもそも客観的事実とは?、BSエアチェックの薦め 時計とオーディオ製品(機器の選び方)renew
ケーブル線材についての3つの迷信 、 CD のデータ処理と誤り訂正について 、 高域再生はどこまで必要か?、スピーカーの低域再生能力、導線の材質 、アンプ・ケーブル・スピーカーの相性 、電気の伝わる速さは?、分布定数回路とは?、心理効果とブラインドテスト、 電源とノイズ、 エージングと劣化、 群遅延とは? 、フェライト磁石かアルニコか?、非直線性と歪、音像定位はどうして決まるか? 、聴く位置によってこんなに変わるf特 、インターコネクトケーブル・ディジタルケーブル、脳波で見る『空耳』、遮音と吸音(室内音響の基礎と実際) 、サブウーファーの薦め、 サブウーファーの音は遅れる?,、コア入りソレノイドコイルのインダクタンス、折り返し歪みとCDの音 圧縮音は音が悪い? new
『木を見て森を見ず』 『鰯の頭も信心から』 この二つの諺はオーディオマニアが陥りやすい傾向で、心すべき戒めです。
まず、『木を見て森を見ず』について。そもそも、オーディオ装置の目的は音楽(私の場合クラシック音楽)を出来るだけ演奏会で聴いているのに近い雰囲気でリスニングルームに再現することにあります。このとき、その性能(森)を決める因子(木)はたくさんありますが最大のものはリスニングルームそのものとスピーカーシステムの性能だと思っています。他の装置はスピーカーシステムに見合った価格の、名の通ったメーカーの製品を買っておけば大差ありません。 このとき具体的に何を選ぶかの基準は周波数帯域やひずみ率(これらの値は同じ価格帯の製品ならほとんど同じです)などのデータや評論家先生の評価より、使い勝手で決めることをお勧めします。また、スピーカーケーブルに凝り何万円もかけるマニアがあると聞き及びますがこれなど典型的な『木を見て森を見ず』の一例です。たとえば、材料の銅線の純度を4N(99.99%純銅から6Nに変えても電気抵抗の変化は室温が1℃下がったと同じくらいの効果しかありません。
ともかくオーディオは趣味の世界です。従って、その性能の差が物理学的、電気工学的にみて、根拠のないものであっても本人が最高と思っていればそれでいいわけではあります。 この場合あまり物理学や電気工学を知らないほうがhappyかもしれません。しかし、私に言わせればメーカーの宣伝文句や評論家の記事はかなり眉につばをつけて見る必要があります。特に一見科学的な根拠を挙げてもっともらしい説明をしてある記事には注意する必要があります。科学的説明には定性的説明と定量的説明とがあります。前者は因果律といってもよく、例えばケープルの例で言いますと、他の条件が同じであれば確かに、4Nの線材より6Nの線材を使うほうがいいかもしれません。しかし、導線の電気抵抗の原因はこの程度の純度の銅線だと殆ど熱抵抗で決まっており、4N銅と6N銅の電気抵抗率の違いは温度差にしてせいぜい1度くらいです。そう考えればこんなところにお金をかけるのは意味のないことだといわざるを得ません。つまり、一見もっともらしい説明も定量的に分析すると殆ど意味のないことがこの世界には往々にしてあるということです。
そう思って、スピーカーケーブルについて宣伝文句や評論を見てみると、ちゃんとしたメーカーの宣伝文句は、確かに技術者も目を通しているだろうし、物理学的、技術的な事実に対しては嘘は書いてありません。しかし、『丸みのある音』だとか、『締まった音』だとかは証明しようのない主観なので決して誇大宣伝で訴えられるようなことではないことに注意する必要があります。また、いわゆる評論家には技術者出身とそうでない人があり、前者の場合は1m何万円もするケーブルを薦めていることはあまりないと思います。しかし、後者の場合かなり高名な評論家でも物理法則をまったく無視した、あるいは矛盾したことを平気で言っている人があります。そんな記事を信じて、大枚のお金を投じるのはまさに『鰯の頭も信心から』と言わざるを得ません。
リスニングルームは低音域の特性に大きな影響を与えます。下の表1に可聴周波数帯(20Hz 〜20kHz)の各音域での周波数とその波長(音波および電磁波)を示します。低音域での音波の波長は部屋の大きさに近く、壁面からの反射による定在波の発生や干渉効果が大きく壁面の構造やスピーカの置き場所や聴く位置により周波数特性は大きく変わります。(このことは低周波発振器で周波数を連続的に変え音出しをしてみると明らかにわかります。) カタログにのっているスピーカーの周波数特性は無響室で測定したものですから概ねフラットですが実際には大きく波打っているはずです。また、中・高音域では直接波と反射波の位相差のため音像定位感の低下などを招きます。しかし、これらの現象はある程度避けられないもので、壁や床天井になるべく吸音効果のありそうな材質を使うこと、また、薄い窓ガラスや薄いベニヤやプラスティック板を使った家具など、共鳴しそうな平面版を使うのを避けることなどが対策です。音楽ホールがそうであるように、適当に音の反射(残響)はあったほうが聞きやすいとも考えられるのであまり神経質に考えることはありません。
次にスピーカーのセッティングですが、確かにスピーカーを置く位置を変えると低音域の特性が変わります。しかし、聴く位置によっても変化するので置く位置ばかり気にしても意味がありません。2つのスピーカの位置の、部屋に対する対象性(壁面やコーナーからの距離)が極端にずれていなければそれほど気にすることではないと思います。ただし、中心軸を部屋の中心に一致させるのは感心しません。なぜなら、壁面からの反射による定在波の腹(最大振幅)の位置は反射面にあり、中心位置は一次定在波の節(振幅0)の位置に当たるからです。それから、よくスピーカと聞く位置は正三角形になるような位置がよいと書いてありますが、確かに2等辺3角形の頂点で聞くほうがいいと思いますが、正三角形である必然性があるとは思えません。むしろ、2つのスピーカーの間隔に適正距離があるはずです。音の指向性(方向感覚)は両耳に入る音波の位相差により検知します。従って、波長が十数センチの音、つまり人の音声などがもっとも敏感に検知されます。この周波数帯から極端にずれた周波数の音は指向性がありません。従って、スピーカーの間隔は2〜3 m離しておけば十分でそれ以上はなすと音波の干渉効果で周波数特性の『でこぼこ』が激しくなるので逆効果になると思います。
このように書くと、私がリスニングルームやセッティングを軽く見ていると思われるかもしれませんが決してそうではありません。これは、次項のスピーカーシステムと同等もしくはそれ以上に音質に影響します。ただ、一旦部屋の条件が与えられてしまうと(例えば普通に設計されたリビングルームを使うなど)少々手を加える程度では大きな改善は見込めず、あちら立てればこちら立たずという状況になりがちだということです。もし、本格的に音に拘るなら、過剰性能の高価なアンプやプレーヤー、ましてや怪しげで高価なケーブルやアクセサリー類には手を出さずに将来専用のリスニングルームを作る資金をためておくことをお奨めします。(この段 2004.8.24追加)
オーディオシステムを科学的・物理的見地から構築したい人には低周波発振器を備えることをお勧めします。色々な使い方が出来ます。
スピーカーシステムはオーディオ装置の中で、再現する音を決定付ける最も重要な部分です。したがって購入するに当たっては試聴なども行い慎重に決定すべき部分です。また予算の半分くらいはスピーカーシステムの購入に当てるべきだと思います。(逆に他の部分については店の試聴室でちょっと聞いたくらいでは差は分からないと考えた方が無難です。この場合はカタログ等でスペックや使い勝手をよく検討する方が後で後悔しません。) なお、『スピーカーの高域再生能力はどこまで必要か?』 および『スピーカーの低域再生能力』についてオーディオ雑学帳で論じています。
永久磁石で発生する磁束が鉄で出来たヨークに導かれボイスコイルの所に強い磁場を作ります。(この図では永久磁石は中心の円柱部にありますが、最近のフェライト磁石を使ったスピーカーでは、外側のシリンダー部に付けてあります。) ボイスコイルに流れる電流はこの磁場でローレンツ力を受け左右方向に動きこの動きが振動板(コーン)に伝わり周りの空気を振動させ音に変わります。振動板はダンパーとエッジにより支えられています。
f の小さい低音では振幅 a を大きくする必要があります。つまり、スピーカーは空気をゆっくりと大きく振動させる必要があるわけです。そのためには振動板を出来るだけ大きくし、かつ大振幅で振動するようにしなければなりません。ウーファーの口径が大きいのはそのためです。
一方、高音域では、振幅は小さくとも高速に振動させる必要があり、振動板は出来るだけ軽くする必要があります。つまり、低音再生のための条件と高音再生の条件はあい矛盾するため、低音専用のスピーカー(ウーファー)と高音専用のスピーカー(トゥイター)を使い、更に、中音域を受け持つスピーカー(スコーカー)を加えた3way システムがよく使われます。実は、専用スピーカーを使うもう一つの理由があります。それは、ボイスコイルの変位が振動板に伝わるとき、波として伝わります。つまり、振動板は必ずしも平行移動(いわゆるピストン運動)するのではなく、中心部から周辺部に変位が伝わっていくわけです。この現象が顕著になると、振動は同心円上に広がる波となり,エッジで反射された波との干渉で定在波が生じ、振動板がいわゆる分割振動を起こします。分割振動が生じると周波数特性に凹凸が生じ、高域になるほど放射される音が打ち消しあい高域が出なくなります。分割振動を起す周波数は、スピーカーの口径、振動板の強度(剛性)などにより決まり、普通1000Hz以上の高音で生じます。低音用の大口径のスピーカーでは分割振動の生じる周波数が低く高音が出にくくなります。再生音域をさらに上げようとすると、口径を小さくする必要があり、そうすると低音が出にくくなり、いわゆるフルレンジスピーカーでの広帯域再生は難しくなることがわかります。さらに、最近のように50000Hzあたりまで分割振動を抑え再生しようとすると、軽くて硬い特殊な材料を使い、振動板の口径を小さくする必要があります。トウィター用の材料は時代とともに流行り廃りがあり、 ベリリウムが使われたり アルミやチタン合金が使われたりしました。私のスピーカの材料はボロン・カーバイト(B4C)という材料が使われているようです。
スピーカーの性能としてもう一つ重要なのは過渡特性です。右図は過渡特性を説明する図です。黒い線がスピーカーに入力する電気信号で赤線は音声出力を表します。両者が一致するのが理想ですが、実際にはずれが生じます。このずれを過渡歪みといいます。過渡特性を決めるのは立ち上がり(下がり)の速さと制動力(すぐに静止する能力) また、固有振動を起こさないことも重要です。立ち上がりの速さは振動板の軽さと強度で決まります。出来るだけ軽くて硬い材料を使う必要があります。
制動力ははいろいろな因子で決まりますが、まず考えられるのは空気抵抗ですが、ダイナミックスピーカーでは余り大きな寄与をしません。従って、この場合スピーカー自身の持つ制動力に頼る必要があります。力学的な制動力はダンパーとエッジで決まり、その制動能力は、振動板の運動エネルギーをいかに早く吸収するかにより決まります。もう一つ重要なのは固有振動を起こさないことです。軽くて硬い材料といえばアルミ合金などの金属を思い浮かべますが、金属は一般に振動エネルギーを吸収する能力が低く、たたけば『カーン』という音がすることからもわかるように振動板に使うと固有振動を起こし不都合です。特にウーファーでは振動板のサイズが決める固有振動の周波数が可聴周波数帯にあるので使えません。これに対して例えばボール紙などはは叩いても殆ど音がしません。これは繊維が絡み合ったパルプ紙などは振動のエネルギーを素早く吸収するからです。普通低音用スピーカーの振動板には繊維系の材料を出来るだけ軽くて強度が出るように加工して使います。それに対し高音用スピーカーは口径が小さく固有振動の振動数が可聴周波数外になることもあり、制振よりも軽くて硬いことを重視し金属材料を使うこともあるようです。(あまり感心しませんが)
スピーカーの制動能力を決めるもう一つの重要な因子は電磁制動力です。ボイスコイルはアンプにつながっており閉回路を作ります。すると、振動することによって生じる逆起電力が制動力となります.。その強さは、アンプの出力抵抗を含んだ閉回路の抵抗値に反比例し、磁場の強さ、コイルの巻き数に比例します。なお、後者はスピーカーの能率にも関係するので、出来るだけ強い磁石を使うことが望まれます。ここで、磁性材料の専門家として言わせてもらうと、永久磁石としてネオジウム磁石を使い、ヨーク、特にギャップ部の材料に磁束密度が最大の鉄コバルト合金を使うと最もいいものが出来るはずですが、実際にそのような製品があるかどうかは知りません*。ただし、磁気回路の設計が適切なら、ギャップの部分の磁束密度は永久磁石でなく、ギャップ部に使われている電磁石材料の飽和磁束密度が決めるので、永久磁石材料に何が使われているかはあまり重要ではありません。
* BSSに投稿していただいた生録趣味さんより、ゴトーユニットなどのホーンスピーカーのドライバーユニットにFe-Co(パーメンジュール)が使われていることを教えていただきました。
** 最近ネオジ磁石を使ったスピーカーも出始めています。ただし、ウーファーなどはどちらかというと重い方がいいので、安価なフェライト磁石をたっぷり使って磁束密度を上げる方が賢明だと思います。 2004.11.24 追加
最後に、制動力を決めるもう一つの因子はスピーカーボックスです。そもそも、スピーカーを箱に入れるのは振動板の後方から出る逆位相の音波を遮断することにあります。最も単純なスピーカーボックスは密閉箱です。この場合箱の内部の空気が空気バネとして働きダンパー・エッジと合わせた、振動板を支えるバネ定数が増加します。従って、振動板の共鳴周波数
f0 が上昇し、かつ同一入力に対する振幅が減少します。その結果、低音の出力能率が低下します。 この時、ボックス内の吸音材などにエネルギーが吸収され制動力が生じます。もう一つはバスレフタイプといいい、スピーカーボックスの下部に穴(ダクト)を開け、ヘルムホルツ共鳴で低音を増強しかつ逆位相の音波を半波長遅らせ正位相にして放出するという方式です。この場合箱からの制動力はあまり期待できず、共鳴効果を利用するので共鳴周波数付近で過渡歪が生じやすくなります。さらに、共鳴周波数付近は位相特性の変化が著しく(群遅延特性が悪化する)、共鳴周波数より波長の長い超低音は打ち消され出なくなります。一方、バスレフタイプの利点として、最低音の共鳴周波数付近ではスピーカーの振動板の振幅が密閉型に比べ小さく抑えられ、エッジやダンパーの非直線性から来る歪が生じにくいという点です。最近の中小型のスピーカーシステムがほとんどバスレフタイプなのはこのためです。しかし、私に言わせれば、バスレフタイプを使っても重低音域の再生能力は一般に不足気味で、下に述べるようにスーパー(サブ)ウーファーを使い補強するという手をお奨めします。(この段落 2004.8.24 改訂)
さて、以上の話は、出来るだけ電気信号を忠実に音声信号に変えるのがいいスピーカーとして話を進めてきましたが、実際にはあまり制動の効かないボンボンした音が好きだとか、高音域がある程度カットされた音のほうが聴きよいという人もいるわけで、決して聴きよいスピーカーの条件を述べているわけでないことをお断りします。
ちなみに、私が使っているスピーカーシステムはかなり物理特性重視型で、一応聴き比べはしましたが、必ずしも最高のものと思っているわけではありません。特に、このスピーカは高域が60kHz
まで伸びていることがうたい文句なのですが、CDがソースの場合20kHZ以上の周波数帯に意味のある情報は含まれておらず、回路で発生する超音波ノイズのみを放射する役目を担っているだけかも知れず、少々オーバースペックのような気がします。
通常のフロア型スピーカーでは、クラシック音楽で重要な役割を果たす30Hz〜40Hzの重低音を能率よく再生するには無理があります。このため、超低音の再生のみを受け持つサブウーファー(以前はスーパーウーファーと言った)を使う意味があります。理想的な方式は超大型のホーンを使うことですが、一般家庭で実現するのは困難です。私の使用しているヤマハのスーパーウーファーは30cm径のスピーカーを内臓の特殊なアンプ(電流帰還によりスピーカーの内部抵抗を見かけ上ゼロにする方式)で制動係数無限大で駆動し、その空気振動をヘルムホルツ共鳴の原理に基づきダクト内の気柱振動でとして放出するという方式です。その効果ですが、例えば室内楽などを聴いているとその存在は殆ど感じませんが、オルガンの演奏や、近代オーケストラの、特にバスドラムの音など大変な迫力で迫ってきます。それから、意外な効用ですが、最近、衛星放送などで放映される音楽会の中継録画をよく見(聴き)ますが、サブウーファーがあるとすごい臨場感が感じられます。実は、これは会場の超低音ノイズを再現するためのようで、オーディオ的には邪道ですが音楽会の雰囲気を生々しく伝えてくれます。
なお、サブウーファーが受け持つ周波数帯では音の指向性がないので、1個のスピーカーで充分です。普通は左右の信号を足し合わせて駆動します。また、置く位置についても指向性の観点からは左右スピーカーの中心である必要はありません。しかし、何処へ置いても同じかというとそんなことはありません。表1からわかるようにこの周波数帯の波長は数mなので、メインスピーカーからの音、壁面からの反射波との干渉により、置く位置により大きく変化します。いろいろ試して最適の位置を見つければいいわけですが、何処に置いても強調される周波数、打ち消しあう周波数はあるので結局好みの問題となります。
このとき、メインスピーカーシステムがバスレフ型だと、スーパーウーファーとのクロスオーバー周波数付近で位相関係が複雑になり(群遅延特性が暴れる)、つながりが悪くなることが懸念されます。スーパーウーファーを使うときは(メインシステムが密閉型であっても)、正弦波発振機を用い低音域の周波数特性をしらべ、カットオフ周波数や位相関係を適当に選び周波数特性が出来るだけフラットになるよう調整することをお勧めします。
最後に、サブウーファーを使うと『音が遅れる』と言われることがあります。私はさほど感じませんが、部屋の定在波と一致する周波数(8畳間だと50Hz)付近ではあり得ることです。というのは、定在波とはスピーカら出た音が正面の壁(又は床面、側面)で反射し、さらに後面の壁(天井、もう一方の側面)からの反射波、後続の音とが干渉し強め合い成長するものなので、少なくとも3,4周期(50 Hzだと約0.1秒位)後に最大振幅となります。一方、スピーカ自身も共振周波数付近では群遅延により多少音が遅れますがせいぜい0.01〜0.02秒位で恐らく検知不能の遅れだと思います。つまり、仮に『音が遅れる』と感じても、スピーカーを疑う前に部屋の特性を疑うべきです。なお、実際にサブウーファーの過渡特性を測定した結果をここに挙げておく。 2006.5.24 Up
現在のスピーカーシステムはCDに録音されている超低音を十分再生出来ないものが多い。これをあまり費用をかけず簡単にチェックする方法を伝授しましょう。それは、ネオジ磁石を使った最近の密閉型イヤーフォンを使うことです。密閉型イアホンは電気→音響変換器として理想的な性質を備えたもので、安価なものでも、20Hzの超低音から20kHz
以上の高音までをほとんどフラットな特性で再生出来ます。また、振動板も軽量で過渡特性も極めて優秀です。これを使い、例えば上に例を挙げたような超低音を含むいい録音のCDを聴いて見て下さい。おそらく、スピーカーシステムではほとんど聴き取れなかった超低音が録音されていることが分かるでしょう。このとき注意すべきことは、耳とイヤホンの密閉性を完全に保つことです。普通、色々なサイズのイアーピースが付属しているので自分に最適なものを選び、空気漏れがないようしっかり耳に挿入して下さい。少しでも空気漏れがあると極端に低音の音圧が落ちます。もし、このテストで自分のスピーカーシステムに不満を感じたらサブウーファーを導入することをお薦めします。また、サブウーファーは『音が遅れる』と思われる方は一度このイアホンと比較してみて下さい。イアホンでは原理的に『音が遅く』なることは考えられません。
アンプはオーディオシステムの中心の一つですが、これについてはあまり論ずるところがありません。最近の技術の進歩により、ちゃんとした技術者のいる定評あるメーカーの製品であれば同じ価格帯の製品ならどれを選んでも電気的性能に変わりありません。むしろ使い勝手とか見た目のかっこよさで選べばいいと思っています。ただどの価格帯を選ぶかは問題ですが、価格はほぼ出力に比例するのでどのくらいの出力が必要かということになります。 実際に家で聞く出力はかなりい小さく、数ワットあれば充分かもしれません。しかし、バスドラムの強奏のような低域の衝撃音をリアルに再現するには瞬間的にかなりの大電流を必要とし出力にはかなり余裕を見ておく必要があります。さらに、アンプの性能としてもう一つ重要で見逃されているのは上記のスピーカの項でのべた、ダンピングファクターで、これはアンプの出力インピーダンスに反比例します。出力インピーダンスが低いことは、いわゆる駆動力が大きいことを意味し、パルシブな音の立ち上がり特性も良くなります。普通大出力のアンプはダンピングファクターが大きく、制動の効いた、歯切れの良い音を良しとする場合は結果的にある程度出力の大きいアンプを選ぶ方がいいということになります。なお、見かけのダンピングファクターは負帰還を深くかける事により大きくすることが出来ますが、負帰還をかけすぎると弊害も生じ、無負帰還時の内部抵抗が低いハイパワーアンプの方が有利です。
ところで、この項の『アンプ(ただし、中級程度以上の半導体アンプ)によって大した差がない』という主張は、オーディオマニアの常識とあまりにもかけ離れているようで、ひんしゅくをかっているようです。しかし、ブラインド・テストの結果などを見ると決して私の耳が悪いせいで分からないというわけではなさそうです。ただし、その結果をここで示すのはあまりに味気ないので、別ページにアップしておきました。入り口はこのサイトの別の所からリンク出来るようになっています。
昔はアンプといえば真空管アンプでした。私も若い頃、何台か自作した覚えがあります。ところで、真空管アンプには普通真空管の高いインピーダンスとスピーカの低い抵抗をマッチさせるため出力トランスを使います。私は磁性物理学が専門なのですが、鉄心を使ったトランスは、周波数特性、直線性、位相遅れ、エネルギー損、バルクハウゼンノイズ,低ダンピングファクターなど多くの問題を抱えた代物でその物理特性を考えればとても使う気になれません。もちろん、世の真空管アンプ愛好家はこの点は承知で、無個性なトランジスターアンプより好ましい点を見つけられているのだと思いますが。
スピーカーケーブルによって音が変わるということがよく言われ、雑誌などで話題になっています。そのこと自身は否定しませんが、結論を先にいえば、1m千円前後のスピーカーケーブルを使っておけば充分で、それ以上この部分に投資する必要はありません。こんなところにお金を使うのがいかに無駄なことかを示すためその物理的側面を論じます。
スピーカーケーブルの直流抵抗が音に及ぼす効果は2つ考えられます。すなわち、 (i)単純なジュール熱による損失(ii)上記スピーカーの項で述べた電磁制動力の低下です。
(ii) スピーカーの電磁制動力は[アンプの出力インピーダンス+スピーカーのボイスコイルのインピーダンス+スピーカーケーブルの抵抗] が小さいほど強くなります。アンプの出力インピーダンスは普通明示されていませんが、ダンピングファクターD がそれにあたります。D の定義はスピーカーのインピーダンスをR、アンプの出力インピーダンスをZとすると、D=R/Z で与えられます。従って、R=6Ω、D=100 とすると Z=0.06Ω となります。従って、アンプの制動力を生かそうとすると,スピーカーケーブルの抵抗値はZより小 さいことが望まれます。さきの、ケーブルA 4mの場合,抵抗値は0.09Ωとなるので制動力低下を招きます。Bの場合 0.026Ωとなりほぼ合格です。このように、スピーカーケーブルの直流抵抗はエネルギーのロスについてははあまり問題になりませんが制動力低下には影響があるかもしれません。ただし、全体のインピーダンスが6Ωなので音質の変化として分かるかどうかは別問題です。
(2)静電容量:行き帰りの2線間の静電容量C はその直流抵抗R +アンプの出力インピーダンスZ とでいわゆるRC回路を形成し高域信号の減衰を招く可能性があります。しかし、そのカットオフ周波数fc はfc =1/[(R+Z)C] で与えられます。上に述べたように最近の半導体アンプでは、Z は1Ω以下になっているのが普通ですが、大きめの1Ωとしても、先ほどのケーブルについて計算すると fcはギガHz(109Hz)のオーダーとなり可聴周波数帯を大きく外れており静電容量による高音減衰は全く心配する必要はありません。ちなみに、表2を見ると抵抗値の小さい線ほど静電容量が大きくなる傾向がわかります。これは、抵抗値が小さい線は断面積が大きく、必然的に表面積も大きくなり静電容量が増えるわけです。(正確には、静電容量は導線の太さ、線間の距離、絶縁体の誘電率によりきまります。)
この表からわかるように、1.6φ単線の表皮効果による抵抗増加は100kHz で計算値、実測値とも約2倍となり、20kHzでも無視できませんが、これによる信号減衰は、ケーブルの抵抗値がスピーカのインピーダンスに比べ十分に小さいため極わずかです。
ここで、表皮効果の低減のため使われるリッツ線(互いに絶縁された細線を束ねた線)についても抵抗変化のデータがあり載せてありますが、確かに表皮効果による抵抗増加は抑えられているもののそれほど効果がないことがわかります。(ちなみに、上の例の素線である0.25φ単線の表皮効果(抵抗増加)は100kHz でもせいぜい1%くらいです) これは、表皮効果とほぼ同じ原理で生じる近接効果によるものでリッツ線を使ったからと言って高域の減衰は免れないことに注意する必要があります。また、大多数のケーブルがそうである裸多芯線のケーブルについては単芯線とリッツ線の中間にあると考えられ多芯構造にしたことによる表皮効果の低減はあまり期待できません。(この部分、改訂前の記述と少し異なります) 最近は、太い単芯線と多芯線を組み合わせたハイブリッド線というのが流行っているようですが、少なくとも表皮効果という観点からはあまり意味はありません。
なお、上の減衰率の計算は負荷のスピーカーのインピーダンスを一定としていますが実際には周波数とともに増加するので、減衰率はさらに小さくなります。いずれにせよ、表皮効果による高域信号の減衰は(5)の自己インダクタンスによる減衰より小さく、少なくとも可聴周波数では問題にする必要はなさそうです。
この表からわからわかるようにケーブルのインピーダンスは直流抵抗に比べ無視できない大きさとなります。しかし、これはまず位相遅れに効き、出力の減衰は100kHz あたりまではあまり効いて来ません。実際にはスピーカーシステムのインピーダンスそのものも高域で大きく増加するので、減衰率はこれより少ないはずです。ということで、自己インピーダンスは超高域で微妙に影響を与える可能性は否定しませんが、少なくとも可聴周波数帯ではほとんど影響はないと言っていいと思います。また、自己インダクタンスと線間の静電容量が作るLC 回路の時定数はMHzのオーダーでこれも無視できます。なお、周波数が高周波領域に入ると、平行2芯線の場合いわゆるフィダー線効果(分布定数回路効果)で減衰はこの計算より少なくなります。この点についてはオーディオ雑学帳 8 分布定数回路を参照。自己インダクタンスを減らすため、4芯のスターカッド線というのもスピーカーケーブルに使われますが、定量的にどれ位減少するのかは簡単には計算できませんが、その原理から考え、それなりの効果は期待出来るでしょう。私自身もこのタイプのケーブルを使っています。
(5) 自己振動による損失: (2001.2.16 更新) 平行ケーブルに電流が流れると発生する磁場により、同方向電流の場合は吸引力、逆方向電流の場合は反撥力が働きます。従って、交流電流が流れているときは導線が振動し、位相遅れやエネルギー損失を生じる可能性があります。この現象によるエネルギー損失とその周波数依存性を理論的に見積もるのは、上記の(1)、(2)、(3)の場合に比べ難しく現時点では適当な理論式が見つかりません。最近のスピーカーケーブルの宣伝文句にこの現象をいかに抑えるかを強調したものも多いようですが、私の知る限り、実際にどの程度のロスがあり、それをどの程度抑えられるかを定量的に論じたり、測定で示したという例は見当たらず、測定不可能な微小効果だと思います 逆に、それだからこそ、耳で聞いて初めてわかるという神がかり的議論が横行する原因ともいえます。
この効果を抑えるには、コードの被覆材に出来るだけ強く(高弾性率の)重い材料を使うとか、平行線の間隔を離してやるとかが考えられます。
追記 自己振動の効果をモデルを使って計算してみました。その結果、樹脂や合成ゴムなどの絶縁体にしっかり固定された平行2芯ケーブルの場合、自己振動によるエネルギー損失は多めに見積もっても、直流抵抗によるジュール熱損失のなんと1億分の一程度で、まったく問題にならないことがわかりました。ただ、幅方向の振動の周波数が可聴周波数帯に近づく可能性があるので、この点は要注意です。詳しい計算はここ。
この他、磁場中で導線が、スピーカーからの音などの影響で、振動することによって発生する誘導起電力によるノイズあるいは混変調歪が考えられます。これは、自作アンプやスピーカーなどで、しっかり固定していない配線が、トランスやスピーカーからの磁力線の影響下で振動する場合、その線を含む閉回路内の磁束量が変化しマイクロフォニックノイズまたは混変調歪の原因となるものですが、スピーカーケーブルの場合、行き帰り2本の線が一体となって振動する場合は誘導起電流は打ち消しあって流れず問題になりません。2本の線の間隔が振動する場合は、上の計算のようにその振幅はきわめて小く、磁場も地球磁場くらいしか働かないので全く気にする必要はありません。(大きめに見積もっても、これまた信号電流の1億分の1程度です)
(6) その他 渦電流損失による高域の減衰なども考えられますが、可聴周波数帯では殆ど問題にならないはずです。
(1)(データはここをクリック) これを見ると、4mのケーブルでは100kHz まではほとんどフラットで、可聴周波数内では、スピーカーケーブルにトーンコントロール効果など期待できないことがわかります。また、高域の減衰は自己インダクタンスの影響として説明できる大きさです。
MHz以上の高周波信号、ディジタル信号を伝える同軸ケーブルの伝送特性は全く違う原理(分布定数回路)で考える必要があります。
なお、以上の解析は正確にいうと、アンプの出力端子からスピーカーのターミナルまでをつなぐケーブルの信号伝達特性について述べたものであり、この他、アンプとの相性(ちょっと漠然とした表現ですが)により音が変わるという話しがあります。これについては、やはりオーディオ雑学帳 6.アンプ・ケーブル・スピーカーの相性で取り上げています。
また、CDプレーヤーとアンプをつなぐコネクトケーブル、CDのトランスポートとADCをつなぐディジタルケーブルの交換によっても音が変わるという話もあるようですが、これらの場合、回路のインピーダンス、信号の周波数が違うのでスピーカーケーブルとは別に論じなければなりません。これについては、オーディオ雑学帳 インターコネクトケーブルとディジタルケーブルを見てください。
また、電源ケーブルの交換によって音が変わるという話もあります。これについては否定するつもりはありませんが、ケーブルの伝送特性に関する上記の解析については同じことがいえます。ただ、電源ケーブルの場合はノイズの混入なども問題になるようで別の要因も考える必要があるようです。電源ノイズの問題については我が家の例を調べた結果を雑学帳 10 電源とノイズに掲載してあります。
i ) 低音域への影響として、直流抵抗による電磁制動力の低下を招かないために、出来るだけ直流抵抗が小さいことが望ましい。当然太い線を短く使うことが原則である。表皮効果を避けるため
細線を束ねた多芯線の方が望ましいがあまり効果はなく、むしろ柔らかく扱いやすいと言う観点から多芯線を選べばよい。もっとも、ダンピングの効いた音は嫌いという人は、その逆で細い線を使えばよい。また、真空管アンプを使っている人は、もともと真空管アンプはダンピングファクターが小さいので(10以下)細い線でもかまわない。
ii) 高音域への影響としては、表皮効果と自己インダクタンスによる高域信号の減衰が考えられる。前者の影響は少なく後者の影響が支配的である。自己インダクタンスを小さくするに2線の間隔が長い平行2芯線の使用は避けるべきであろう。細素線(0.2mmφ以下)を使用したスターカッド線(4芯線)は両効果にとって有利である。もっとも、20kHz 以上の超音波領域を忠実に再生することに意味があるのか? は別問題である。(この部分、2003.8.24改訂 以前の記述と異なり、高域減衰の主役は表皮効果よりも自己インダクタンスによるものであることがわかった)
iv) スピーカーケーブルの信号伝達特性は太さを含めた構造できまり、使用している材質には依存しない。普通の無酸素銅で十分で、タフピッチ銅でも問題ない。
このように見てくると、物理特性から見て必要にして十分な(直流抵抗が小さく、100kHz くらいまでフラットな)特性をもったケーブルは、例えば最初の表のBや4芯線(スターカッド線)など、1000円/m 程度のケーブルで容易に実現可能です。(故長岡鉄男氏推薦の電力用のキャプタイヤーコードなどもほぼこの条件を満たしています。) 逆に、変に凝ったケーブルは、物理特性を悪くし、一見(一聴?)聴きやすい音にしている可能性があります。というわけで、ケーブル類については、信頼出来るメーカー(主要なデータを公表していることが必要)のこのあたりの価格帯で上記の物理特性の解析を参考に、合理的と思う製品を決め、後はあれこれ迷わず、本来の音楽を楽しむことをお勧めします。
左右のスピーカコードの長さについて、短かれば短いほどいいというのは直流抵抗がそれだけ小さくなるのでそのとおりです。アンプがスピーカの中央にないときはどうすべきか?やはり同じ長さにすることを推奨します。その理由は、ダンピング因子を左右スピーカーでそろえるためです。直流抵抗値の項で述べたようにケーブルの長さが異なると見掛けのダンピングファクターが結構変わります。もっともダンピングファクターは20程度あれば充分とも言われていますので気休め程度かもしれません。なお、超高域ではインダクタンスにより位相の回転角が少し変わりますが、これは聴く位置を1,2mmずらした位の差しか生じないので問題はありません。同じ長さにした場合の余ったコードの処理ですが、お勧めするわけではありませんが巻いておいても大丈夫です。リングにすると大きなインダクタンスになりそうな気がしますが、そもそも、コイルのインダクタンスとは電流が作る磁場の逆起電力が原因なので、行き帰りの並行2芯線をリング状にしてもリング内部の磁場は打ち消しあいインダクタンスとはなりません。
さらに忘れてはならないことは、ターミナルでの接触抵抗です。古いケーブルで素線の表面の金属光沢が失われている場合は、端を数センチ切断し被覆をはがすかサンドペーパーで磨くなどしてきれいにし、多芯線の場合は少し捩ってはみ出す素線がないように注意し、出来るだけ強く圧着するのが基本ですが、電気についての経験がないと以外と変なつなぎ方をしている場合もあるようです。自信がなければ、少し高くなると思いますが、必要な長さを予め計っておき、両端にターミナル接続用の金具などを装着したケーブルを使うのもいいかもしれません。
最後に一つ、あえて言いたいことは、抵抗の原因によって音質が変わる、つまり、OFC(無酸素銅)の音だとかPCOCC(単結晶銅)の音,さらには銀線の音などというものはあり得ません。もし交換により音が変わったとすると、何か他の条件、特に線の構造、が同時に変わったからだと思います。それにもかかわらず、ケーブルの広告などで線材に何を使っているかが重視されているのはなぜか? おそらく、純粋な材料を使えば純粋な音がする、銀を使えばいぶし銀のような音がするといえばイメージ的に訴える所があるからでしょう。それに対し、表皮効果がどうのこうのといっても難し過ぎてピンとこないのではないでしょうか? 要するに、金属が持つイメージを利用して心理効果に訴える作戦なのでしょう。線材を変えた時の効果についてはオーディオ雑学帳 5.導線の材質でも取り上げています。
それでも何故高価なケーブルを求める人がいるのか? について、オーディオ雑学帳 9 心理効果とブラインドテストでとりあげました。
右図はディジタルレコーディング(CD)の原理図です。横軸は時間、縦軸は音声に対応する電気信号の電圧を示します。黒い曲線が元の音声シグナルで、ディジタル化とは時間軸を1/44100秒に分割し(サンプリング)、その間の電圧値を16ビットの二進数(0〜65536)で表し記録します(量子化)。この場合、44100/2 Hz=22kHzより高い周波数の情報は記録されません(実際には20kHz以上はカットされる)。再生するときはD/Aコンバータで電圧に戻します。このときD/Aコンバータから直接出てくる電圧は図の赤線のようにギザギザの電圧でこれがこのままスピーカーで再現されたら『ギザギザ』した聞きづらい音になるはずです。(ただし、右の図は極端に誇張して書いてあり 16ビットで量子化するとパソコン画面では完全になめらかな曲線となります。詳しいことはこちらを見て下さい) また音楽CD用に特化されたD/Aコンバータ(DAC)ではスムージング回路も内蔵されており、滑らかな変化になりますが元の信号に近づくわけではありません。このとき生じる原音との違いを量子化歪み(雑音)と言います。最近のディジタル信号処理技術の進歩により、CDのディジタル信号を横軸,縦軸ともに細分化し(図の青線)ディジタル段階で信号をより平滑にする方法がいろいろ開発されています。私の DENONのプレーヤーもALPHAプロセッサと称する信号補間技術を使い8倍サンプリング20bit相当の精度で音を再現しているそうです。ただし、この場合でも、もちろんCD化する際にもともと失われていた、20kHz
ところで、CDプレーヤーにもずいぶん高価な高級機があります。これらは、大体回転部分など機械的精度を高くし、重量も大きいものです。しかし、もしあなたがパソコンの使用者ならちょっと考えてみてください。パソコン付属のチャチなCDドライブで読み取ったデータでも殆どエラーなしで読み取れます。この場合、単にハード的に誤りが無いのではなく、誤り訂正機能によりエラーを訂正しています。実は音楽CDの場合も、かなり強力な誤り訂正機能があり、ディジタル信号を読み取る時のミスは殆ど考えなくてよく、実際、色々な実験でそのことは確かめられています。(オーディオ雑学帳2『CDの誤り訂正について』 参照)むしろ、読み取った信号を如何に処理するか、つまり電子回路技術(主にDAコンバータの性能)が重要なわけです。もちろん、可動部がチャチだと故障しやすく、それに見合った電子回路部もチャチである可能性が高いのでお勧めできませんが。いずれにしても、CDプレーヤー選択のポイントは機械部でなく信号処理技術や電子回路技術で判断すべきです。
蛇足ながら、CDも再生中は回転していますが、アナログレコード時代に問題になった回転むらも関係ありません。もしあなたが、CDの再生がアナログLPと同じように、読み取った瞬間瞬間のディジタルデータをアナログ電圧に変換しているものと理解しているならそれは全くの誤りです。ここに詳しく説明していますが、CDでは読み取ったデータは誤り訂正符号などと一緒に、一旦バッファーメモリに記憶して処理しこれを水晶発振器からのクロック信号に基づきDA変換器に送っています。つまり、時間軸の管理は水晶発振器で正確に行っているのでディスクの回転むらは再生音に直接関係しません。また、水晶発振器の精度を上げるとディジタル信号の時間間隔が正確になり音質が改善されるという話もありますが、定量的に解析すると、実際に聴いて違いがわかるほどの効果は期待出来ません(ここを参考)。このように見ると、回転・読み取り部(CDトランスポート)とDAC部を分離したいわゆるセパレート型にするメリットはほとんど無くDAC部以降の性能がよいものであれば一体型のCDプレーヤで十分です。
MP3 プレーヤー これもパソコン使用者ならよく知っていることですが、たいていのディジタルデータは圧縮可能です。データの種類に応じいろいろな圧縮方式がありますが、音楽信号の場合はMP3という方式がよく使われます。原理は少々複雑なので省略しますが、.WVI 形式の音楽データを音質をほとんど損なわず約10分の1に圧縮できます。つまり約10枚のCDの内容を1枚のCD−Rに詰め込めるのです。ただ、この方式のformatは確立しているのですが、製品化する技術は発展途上のようで注意が必要です。私が、最初に購入した、さる周辺機器メーカーのMP3ポータブルCDプレーヤーは音飛び(実際には音楽が途中で中断する)が頻繁に起き、結局使い物になりませんでした。最近買い換えたsonyの製品は、餅は餅屋というべきか、さすがに優秀で通勤電車の中などで愛用しています。
上での曲やメニューの選択は、ちょうどノートパソコンのスライドパッドのような感覚で操作するタッチホイールで行い、これも慣れば快適に操作できます。他機種と比較したことはないのですが、選択の要はコンピュータソフトを含めた使い勝手の良さにあると思います。音質の方はまずまずといったところです。価格は、例えば、上のMP3−CDプレーヤと比較するとその性能を考慮するとそれほど高くなく、これからの主流になるのではないかと思います。ただし、メカの苦手な人が使いこなすのはなかなか大変ですが。2004.9.23 追加
最近、家で音楽を聴く時の音源として、衛星放送の音楽番組のDVD録画を聴く(見る?)時間がもっとも長いように思います。この場合も音声は、現有のステレオシステムで聞いています。映像付で音を聴くのはオーディオ道にとっては邪道だと言う人もいるようですが、本来音楽は演奏家を前にして聴衆とともに聴くもので、スタジオで部分録音したソースを編集したものが中心のCDのほうが邪道ではないでしょうか? 最近急激に普及しつつあるHDD&DVDレコーダーは以前のビデオテープによる録画にくらべ格段に便利で、かつ音質もCD並みと良く近い将来、家庭での音楽鑑賞はこの方法が主流になると思っています。すでに、我が家では数百枚のCDがLPレコードと同様過去の遺物になりつつあります。なお、BSテレビを録画して楽しむノーハウ「BSエアチェックの薦め」もご覧下さい。
ただし、CDにもいい録音とそうでないのがあるように、BSの音楽番組も国内収録のクラシック番組はまず安心して聴けますが、海外収録のものはばらつきが多くベルリンフィルの演奏などもせっかくの良い演奏が音質がもう一つでがっかりさせられることもあります。
最近注目されているハードディスク+DVD レコーダーを入手しましたが、大変便利な機能を満載した『優れもの』であることに感心しています。その機能の一端を紹介しますと。
まず、一般的にDVD録画/録音が従来のテープ方式に比べ優れている点は(1)収納スペースが大幅に節約できる。(2)再生の際瞬時に曲の頭出しが出来る。当然巻き戻し操作は不必要。(3)画質・音質の劣化がない。といったところでしょうか。かんじんの画質/音質はどうかというと、リニアPCM(48kHz/16bit)で録音すると理論上CDより高音質となります。さらに、DVDレコーダーの場合、画像・音声の品位(データ圧縮率)が任意に設定可能で(ただし設定可能範囲は機種依存)、目的によって色々な品位での録画/録音が可能です。音楽番組を録画する場合は音質重視で非圧縮リニアPCM録音が可能です。不利な点は価格面ですが、本体価格はともかく、メディアの価格は最近かなり低下しておりDVD-R
実際の録画はほとんど内臓のアナログチューナーのGコード予約か(この時録音品質は圧縮モードになっているので手動で変更しておく必要がある)、ディジタルBSテレビ(ハイビジョン放送を含む)の録画予約でハードディスクに記録します(ただし、ディジタルTVの出力はアナログ出力を使うのでハイビジョンの画質も通常の画質で録画されます)。なお、その時見たいときは追っかけ再生が可能なので録画が始まって後、始めから見られます。
後で再生するとき、曲の区切り点や休憩時間の前後に印を付けておきます(これをチャプター区切りをいっています)。こうして録画した番組をDVD-R(又はDVD-RAM)に記録するときは編集機能を使って、メディアに記録可能な長さ範囲内で、必要な部分(チャプター)を取り出しダビングします。この時少々面倒ですがタイトルなどを付けることも出来ます。
私が検討した限り、このような操作が全て可能なのは東芝製品のみでした。これから購入しようとする方は使用の目的をよく考え、慎重に機種を選ぶべきです。価格が高いのがいいとは限りません。
2004年4月より、地上波を含めディジタルTV放送は原則として、コピー・ワンス型のコピーコントロールが付けられるようになった。したがって、ハードディスクに記録した放送内容をDVD−R
オーディオラックにも随分高価なものがあり、振動による悪影響を避けるため必要だといわれています。確かにアナログプレーヤーと真空管アンプを使っていた時代は振動に極めて敏感でありラックにも細心の注意を払う必要がありました。
しかし、CDプレーヤーと半導体アンプを使う場合、外部から伝わる振動がCDプレーヤーやアンプを通し音質に与える影響は極めて小さく、心配する必要はありません。これについては無音のCDを用いた実験を行なって確かめてみました。ただ、どんなラックでもいいかというとそうでなく、例えば側板や背板に薄いベニヤ板などが使ってあると共振を起こす可能性があり悪影響を与えます。したがって、オーディオラックは単純な棚形式の物がよく、強度や重量はそれほど気にすることはありません。
言い換えれば、ラックの影響は振動が電気系を通じて生じるのではなく、CDラックや一般の家具と同じように、それ自身の振動に注意すればよいいうことです。もちろん、オーディオラックはスピーカーに近い場合が多いのでより細心の注意が必要です。
以上は各コンポーネントについて、なるべく具体的な数値を挙げ定量的な議論になるよう心がけてきましたが、実際にどのような製品を買ったらいいのかについては一切言及していません。それは、私自身それほど製品についての知識が豊富でなく、また肝心の試聴も行なっていませんので、やむ得ないことと思っています。
以下のシステムは、自分自身が使っているコンポーネントですから、当然自分の考えに沿ったものであり、スピーカーなどは試聴もしています。選択に当ってのプリンシプルは、各機器について、ある価格帯までは価格に比例した性能が期待できるがそれ以上になるとあまり画期的な向上は期待できない臨界価格というものがあると考えています。そこが狙い目になるわけですが、問題は、これがどれ位の価格になるかであり、私の感じでは、大雑把に、CDプレーヤー,アンプ,スピーカ(1本)が各10万位ではないかと思っています。また、スーパー(サブ)ウーファーをうまく使うことが臨場感ある音楽再生を得るコツではないかと思っています。
なお、このサイトを見て、私も殆んど同じようなシステムを使っているというメールをいくつか頂戴しました。皆さん、技術屋さんで、ここら辺が技術面からアプローチした場合の一つの解ではないかと密かに思っています。
(1)リモコン(ヴォリュームおよび入力切替スイッチを駆動するモーターをコントロールする方式)操作が可能
このアンプは前書きの臨界価格を大きく超えて、少し贅沢な選択ですが、たまたま手に入る機会があったので現在のものに更新しました。
スピーカーもいろいろ使いましたが、初めの頃はパイオニアの8インチのスピーカーを使っていました。箱はもちろん手作りでした。既製品に移る前比較的長く使っていたシステムは、低音用としてパイオニアの25cm
ウーファーを比較的大きないわゆるコーナー型の密閉箱に入れて使い、高音用として、グレースのコンデンサートゥイター ST-2
というのを使い始めました。このトゥイターの印象は鮮烈で、オーケストラの高音弦が大変きれいに響いたのをよく覚えています。ただ、残念ながら、構造的に弱い所があったらしく、すぐ不安定になって1,2年しか使えませんでした。その後はコーラルのH-1
というホーントゥイターを使用しました。更に、パイオニアのホーンスコーカーを付け加えました。ただ、このホーンスコーカーは比較的安価でしたが、ホーンは鋳造アルミ製でたたくと『カーン』という音がし、かなり癖がある音を出す代物でした。
レコードプレーヤーはアカイのC5というフォノモーターにリオンのクリスタルピックアップを使っていました。叔父がレコード店をやっていたので、サンプル用のLPレコードをもらったりかなり早くからLPレコードを聴いていました。今でも覚えているレコードはカール・ミューヒンガ指揮 シュッツットガルト室内楽団のブランデンブルグ協奏曲、演奏は忘れましたがホルストの『惑星』といったところです。
ここら当りまではまだ手作りの時代で、その後は、いい既製品が比較的安価に売り出され始め、手作りはコストパーフォーマンスの点でメリットがなくなってきたので、既製品を組み合わせて使うようになりました。特に、トランジスターアンプとなるととてもメーカー品に太刀打ちできません。唯一の例外として 1980年頃、長岡鉄男氏設計のスーパーウーファーを作りました。スーパーウーファーの効果は大きく、やはり超低音域を再生するにスーパーウーファーが必要であることを知りました。このスーパーウーファーも1992年頃現在の既製品に置き換わりました。その後の展開はコンポーネントごとに年代順に書き上げてみました。ただし、ちゃんと記録が取ってあったわけではないので年号は不正確です。

 

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