ディックのサイトです。
リコー 回数 キャンパス データベース ショッピング 武富士 不動産 デザイン 東本 通信 オープン 保つ 元町 よしひろ 制御 社員 松本 pluginspage 認証 シフト 感想 創業 甘楽 macromedia 自信 イコール ローズ 請け カゴメ ペット

前回とは?/ ディック

[ 204] イノベーションを引き起こすマジックミドル圏域の生み出し方 | WIRED VISION
[引用サイト]  http://wiredvision.jp/blog/sasaki/200803/200803181100.html

『「みんなの知識」をビジネスにする』という書籍が、間もなく翔泳社から発売される。リンクをクリックしていただければわかるが、Amazon.co.jpではすでに予約可能になっている。兼元謙任オウケイウェイブ社長と私の共著で、集合知ビジネスのキーマンたちに連続インタビューしたものだ。集合知ビジネスの決定的な解決策にはまだ道のりは遠いが、しかしその課題に向けての示唆的な言葉がちりばめられている本である。ぜひ手にとっていただければ。
この本の内容についても、この連載では言及していく予定だ。だが今回は取りあえず、前回の続き。ユーザーイノベーションを引き起こすためには、情報がどの場所にあるべきなのか?というテーマについて勧めていくことにしよう。
前回、Web3.0の世界では情報がユーザーの元へと再集結していくという話を書いた。そして情報の粘着性仮説に基づけば、Web3.0の世界ではイノベーションはユーザーのいる場所で起きるということになる。
とはいえ、ひとりのユーザーという存在はあくまでもロングテールでしかない。たったひとりのユーザーしかいない場所で、たったひとりのユーザーのニーズのためにイノベーションは発生しない。ユーザーの数は、イノベーションを引き起こすクリティカルマス(臨界点)にまで達している必要があるからだ。ロングテールがある程度集約され、ロングテールの集合体が一定の最大公約数的なコミュニティを形成し、つまりはマジックミドル的な圏域が生み出されることによって、それがイノベーションを生み出す原動力になる。
ではこのクリティカルマスはいったいどの程度の人数なのか? 10人ならOKなのか? それとも100人ぐらいは必要なのか? おそらくそうした推測をここで行うのは、意味がない試みだろう。そのイノベーションの内容や方向性によって、クリティカルマスが必要とする人数も変わってくるはずだからだ。
重要なのはクリティカルマスの数値ではない。そのクリティカルマスが、どのような仕組みによって形成されるのかということだ。誰かが誰かを呼んできて、人的なネットワークで形成されるのか? それともアーキテクチャによって自動生成されるのか? 前回、ニフティで「アバウトミー」を運営している佐藤寛次郎さんはこう話している。「リアルをつなげるのは、企業とコンシューマーをつなぐことのできるニフティのような会社かもしれない。もしニフティがそういう役割を担えれば、ネットワーク化ができると思うんです」。企業がこのネットワーク形成の部分のパイプラインの役割を担う可能性を、彼は示唆している。
ひとつのケースとして、ブログ広告のアジャイルメディア・ネットワーク株式会社(AMN)を引き合いに出してみよう。同社のビジネスは広告であってイノベーションではないが、しかしマジックミドル圏域でどのようにしてコミュニティを生成していくべきかという点においては、非常に参考になる。
さてAMNはブロガーたちが中心になって作った企業で、著名ブロガーをネットワークし、彼らのブログに広告を配信するビジネスを展開している。アルファブロガーアワードの仕掛け人でもある同社取締役、徳力基彦さんはブログ広告をカンバセーション・マーケティングという言葉で捉えている。
「マス・マーケティングとソーシャル・マーケティングはコンセプトがまったく違う。マス・マーケティングの場合はとにかく力業で、お金をたくさん投じて広告の露出を増やせば認知度も上がる。しかしソーシャルの世界では、短期的にお金をたくさん投じたからといって、それで認知度が高まるわけではない。マスのようなやり方ではなく、根本的にマーケティングの考え方を作り直さなければならない。ソーシャルでは、顧客と企業がリレーション(つながり)を保持し、そこで会話し、顧客にファンになってもらい、そしてそのファンをじわじわと増やしていくという手法を採るんです」
その会話を軸としたマーケティングが、すなわちカンバセーション・マーケティングというわけだ。マス・マーケティングの場合は膨大な金額の広告予算を投じて、テレビや雑誌、新聞などで集中豪雨的に商品を紹介し、一気に知名度を上げるという方法だ。これに対してカンバセーション・マーケティングはイノベーターやアーリーアダプター層に最初に入り込み、その部分で徐々に認知度を高めていって、そこからキャズム越えを狙う。
この典型的な例としては、無印良品の化粧水が有名だ。化粧品の口コミサイト「アットコスメ」を媒介役として徐々に広がり、気がつけばヒット商品となった。「さっぱりタイプ」と「しっとりタイプ」が発売されているこの580円の商品は、発売当初はさほど話題にはならなかった。ところが1年ぐらいの"潜伏期間"ののち、突如としてクチコミが爆発し始める。
「値段も安いし、そんなに期待してなかったけど、想像以上によかったです」「とってもシンプルですが、しっかり潤うのに変な刺激もなくお気に入りです。安いし、たっぷり使えます。刺激も特にありませんでした♪♪」「ほどよく潤うし、ティーンの肌には充分じゃないかなあと思います」
おそらく背景には、環境保護の盛り上がりや、無添加を求める消費者の好みなどがある。それらが化粧品という市場に流れ込んできたタイミングもあり、アルコール無添加で無香料・無着色・無鉱物油、しかも低価格で、無印良品というブランドの信頼感もあるこの化粧水の盛り上がりへとつながっていったのだったろう。
しかしこの無印良品化粧水では、クチコミのコミュニティが可視化された状態で組織されていたわけではない。アットコスメではクチコミが500万件以上も蓄積され、この無印良品化粧水だけでも2000件以上のクチコミが書き込まれているが、しかしこれらは友人同士のつながりではない。
アットコスメでは、ユーザーとユーザーの可視化されたつながりではなく、ユーザー同士が「自分の肌の特質」を媒介にして間接的につながるという構成になっている。つまりクチコミで評価されるのは、「自分の友達のA子ちゃんがこの商品を評価しているから」ではなく、「自分と同じ年齢、自分と同じ肌質の人が、この商品を推薦しているかどうか」ということなのだ。化粧品というのはビッグビジネスではあるが、しかし大量生産大量販売の商品ではない。女性ひとりひとりで年齢や肌質は異なっているため、こうしたクチコミマーケティングが有効に作用しやすい。そしてこの化粧品という分野におけるマジックミドル圏域は、友人同士のつながりとしてではなく、肌質を媒介にした可視化されないコミュニティとして成り立っている。
なぜなら、同じ趣味志向の人たちをうまく集約するためには、リアルの人間関係は単なる障害物でしかないからだ。リアルで仲の良い友人だからといって、同じ趣味志向であるとは限らない。親しい友人がまったく自分と好みの異なる音楽や小説を愛好しているというようなケースは、どこにでもある。だから同じ趣味志向の人たちを集約させようとすれば、リアルの友人関係は排除し、あくまでもその「趣味志向」の中身によって判断しなければならない。どこの誰かはわからないけれども、しかしその「どこの誰か」はあなたと同じ趣味を持っていて、ともにマジックミドル圏域を形成する「仲間」となりうる。
しかしこうした可視化されないコミュニティにおいては、そのコミュニティの全体像が見えているのは、コミュニティを運営している企業の側だけだ。これはつまりAmazonの協調フィルタリングに基づくレコメンデーションと同じようなものであって、ユーザーを主体としたイノベーションの発生源にはならない。
そうなると、ここでひとつの課題が立ち上がってくる。つまり「つながりを可視化し、ユーザーみずからがコミュニティの全体像を見えるようにする」ということと、「同じ趣味志向の人たちがひとつの目的に向かって集約していく」というなかなか両立しがたい二つの方向性を、統合しなければならないということだ。

 

[ 205] japan.internet.com コラム/売れる・集客できるホームページの秘訣
[引用サイト]  http://japan.internet.com/column/wmnews/20080425/8.html

ホームページのコンサルティングを手がけるほか、儲かるホームページのノウハウを紹介するセミナーも開催。本コラムでは、「アイディア満載の売れる・集客できるホームページ作りの秘訣」を具体的にご紹介します。
必ず雨を降らせることができる祈祷師がいるそうだ。なぜかと言うと、雨が降るまで祈りを続けるからだ。本で読んだ話だが、これこそ何かを成し遂げるための極意だと私は思った。
やればやるほど成功するならモチベーションの維持はカンタンなのだが、現実は失敗することの方が圧倒的に多い。新しいことに挑むということは、未経験のことばかりが押し寄せてくるのだから、当然失敗の方が多いのだ。
だからモチベーションの維持がとても難しいのだけれど、失敗にもめげずにやり続けるためには、やっぱりモチベーションを維持することが重要になる。モチベーションを維持しにくい状況の中で、それを維持していくためにはどうすればいいか。
前回、11年前に自転車でオーストラリア大陸を横断したことを紹介したが、この経験はビジネス未経験だった私が、10億円売れるホームページを作り上げる基礎となった。
自転車旅をしていた間、高いモチベーションを維持することは難しくなかった。その最大の理由は、体を動かしていたからだと私は思っている。
一方ホームページを作り始めた頃は、ちょっとしたことでモチベーションが維持できなくなってしまったものだ。パソコンの前に座りながらいくら考えても、一向に先に進まない。ところが、気分転換に近所の公園を自転車で走ると、いいアイディアが浮かんでくるのである。
それ以来、私は何か行き詰ったときは体を動かすようにしてみた。天気が悪く自転車に乗れない日は、パソコンの前でちょっと体操をしてみる。すると前向きなアイディアが生まれ、実践してみたくなるのだ。
そこでもともと好奇心の強い私は、体を動かすのをやめてもモチベーションが維持できるのか実験してみたのである。部屋の隅っこで、体を動かさずにじっとしているのだ。するとどうだろう、後ろ向きなことしか思い浮かばず、やる気になれない。
考え込むとどうしても体を動かさなくなりがちで、ついつい悪循環になってしまう。考え込むあまり行き詰った時こそ、ちょっと体を動かして脳に酸素を送り込んでほしい。科学的な根拠を調べたわけではないから、私の体験があなた自身に必ず当てはまるとは言えないかもしれないが、もしモチベーションの維持に行き詰ったら、騙されたと思って軽く運動をしてみてほしい。
そのほかにも、方法はある。たとえば、かつて自分が夢中になったモノを身近において置くといいだろう。サッカーに夢中になっていた人はサッカーボール、ギターに夢中になっていた人はギターを押し入れから出してきて、触れてみてほしい。そうすると、夢中になっていた頃の情熱と今の自分を繋げることができるのだ。
私の場合は、会社のスタッフが全員帰った後に、自転車旅で野宿の時に使ったテントを会社の中で張ったのだった。テントの中に入って考えると、不思議と情熱的になれたのである。守衛さんに見つかったら不審がられたかもしれないが、幸いそんな事態にはならなかった。
過去に何か夢中になれたものがあった人は、その頃を思い出させるモノを身近に置いてほしい。それだけで、モチベーションの維持がラクに楽しくできるようになる。
■10億円売れるホームページを作り上げるまでモチベーションを維持する方法(1)■10億円売るホームページは、訪れるお客さんの質が違う■10億円売るホームページのコツ「寄付をすると豊かになる理由」■10億円売るホームページのコツ「稼ぎたいなら寄付をするといいよ」■10億円稼ぐホームページを作るには、「豊かさの本質」をマスターしよう■10億円売れるホームページは、どこよりも楽しんでいる■10億円売り続けるホームページはブレない■自社の製品に惚れると、10億円売れるホームページができる■眠れる財産を掘り起こすと、10億円売れるホームページが作れる■10億円売れるホームページは、ライバルを作らない
関連企業のサイト:ストックフォト イラスト ネットストリート ホテル予約サイト タウン情報 出張 事業継承 シミュレーション トランクルーム 優待映画チケット 田舎暮らしガイド オリジナルTシャツ ニタコエ

 

[ 206] japan.internet.com コラム/売れる・集客できるホームページの秘訣
[引用サイト]  http://japan.internet.com/column/wmnews/20080229/6.html

ホームページのコンサルティングを手がけるほか、儲かるホームページのノウハウを紹介するセミナーも開催。本コラムでは、「アイディア満載の売れる・集客できるホームページ作りの秘訣」を具体的にご紹介します。
そう言われ、僕は周囲に内緒で寄付を続けてみたのである。そうしてしばらく続けていると、次の3つのことに気がついたのだ。
ちょっと想像してみてほしい。あなたの目の前に、2人の子供がいるとしよう。その子供達に、たまごボーロをプレゼントすることを思いついた。さて、プレゼントをもらったときの2人の反応を見たあなたは、どちらの子供にまたプレゼントしてあげたいな、と思うだろうか?
当然、2人目の子供だろう。つまり“チャンスをモノにする人”は、チャンスが訪れたとき、それを喜んで感謝しながら受け取る人なのである。
2度目以降のチャンスを手に入れるコツは、「すでに受取ったモノをどう活かすか」に尽きる。自分だけで独り占めするのではなく、他の人にも自然に分かち合えるようになると、もっとチャンスが訪れるようになるのだ。
イメージしやすいように、たまごボーロと子供で例えたが、最近自分が受取ったものと、その後に取った行動に置き換えて考えてみてほしい。
僕自身が体験したことだが、ある素晴らしい人に出会う機会があり、素晴らしいお話を聞かせてもらった。僕はすぐに自分のメールマガジンや Blog で紹介して、読者の方にもその話の内容を伝えたのである。
と大変喜んで下さって、またまた良いお話をお伺いすることができたのだ。おまけにメールマガジンの読者も増えるし、僕にとってとてもいい循環が生まれたのである。
寄付の習慣を持つと、自分が受け取ったものを、自然と他の人と分かち合うことができるようになる。これは後から気がついたことだが、とてもプラスになった。ビジネスに対する姿勢も変化したのだ。
目の前のお客さんから少しでも利益を得ようという姿勢から、「その利益からお客さんに何を与えられるだろうか?」という意識に変わり始めると、自然とお客さんがリピートして下さるようになったのである。
というコトバの裏には、すごい秘密が隠されていた。これも後から気がついたことだが、寄付が習慣になると、与えた時に見返りを求めなくなるのである。
前回紹介した、初めて1万円を寄付したときの僕は、女の子にいいところを見せようという下心を持って寄付をした。動機が思いっきり見返りを求めていたのだ(笑)。
ところが、すべてにおいて言えるのだが、見返りを狙ってやると何事もうまくいかない。例えば、給料日前なのに無理して、夜景のキレイなレストランへ意中の女の子を誘ったとしよう。たとえ彼女がその誘いにのってくれても、気持ちにも財布にも余裕がないとなると、「キレイなレストランだよね」と爽やかに言いながらも、“今夜は帰さないぞ!”という納豆みたいに粘ついた下心オーラが毛穴から吹き出してしまう。彼女は直ぐにそれを察知し、逃げ出してしまうだろう。
しかし、純粋に与えることを楽しみ見返りを求めない人なら、美しい夜景を意中の女性と一緒眺めながら過ごす時間を、心から楽しむことができる。その方が好感度も上がり、より良いコミュニケーションができて、やっぱりうまくいくのだ。何がうまくいくかは、あえて書かないが(笑)。
誰にも内緒で寄付をするという行為は、僕にとって「与えることを楽しむ」ための、とてもいい練習になった。内緒で寄付をしなければ、きっと僕は今でも納豆みたいなオーラを出しまくっていたはずだ(笑)。
さて2つ目の発見は、「問題解決がはるかに上手になったこと」。問題の解決が早くなり、問題から学び成長できるようになった。
寄付をする前の僕は、何か問題に直面すると、その状況から“奪う”ことばかり考えていた。つまり、どうすれば自分の権利と主張を相手に納得させ、自分の取分を確保できるかが、最大の目的になっていたのだ。ところが寄付を続けていくうちに、考え方が少しずつ変わり始めた。直面した問題に対して、「自分が与えられることは何があるだろうか?」と考えるようになったのだ。
例えばそれ以前の僕は、自分のホームページに書いた文章を、同業者からそっくり真似されると、心底腹を立てていた。弁護士を立てて損害金を請求できないだろうか? 相手をギャフンと言わせるにはどうしたらいいだろうか?と、すごーく暗い発想ばかりしていたのだ。
「よし!真似されるなら、真似されよう。同業他社がこぞって自分を真似すれば業界のマーケットが大きくなるくらい、素晴らしいものを作ってやろう!そうすれば、真似をされると楽しくなるぞ!だってマーケットが大きくなるんだもん。」
身近な人とトラブルがあった時も、解決が早くなった。恋人とつい口論になった時、自分を正当化する前に、「この状況で僕が相手に与えられるものはないだろうか?」と考えるようになったのだ。おかげで、愛を出し惜しみしていたことに気がつき、素直に自分の非を認められたこともあった。「自分が相手にしてあげられることは何だろうか」と考え、それを実行すると、口論した数分後には一気にラブラブに戻れたりする(照)。
まったく同じ状況に置かれていても、自分のイメージが高い人は、どんどん同質の豊かさを引き寄せるようになる。意識一つの差で、人生という名の飛行機に乗るあなたに割り当てられた座席が、エコノミークラスからファーストクラスに変更され、より快適な時間を過ごせるのだ。
この3つの発見の他にも様々な気付きがあったのだが、まだ寄付を始めてから8年程度なので、寄付の全てを語れるほどの経験はない。おそらく寄付の大先輩たちは、もっと多くのことに気づかれていらっしゃることと思う。
■10億円売るホームページのコツ「稼ぎたいなら寄付をするといいよ」■10億円稼ぐホームページを作るには、「豊かさの本質」をマスターしよう■10億円売れるホームページは、どこよりも楽しんでいる■10億円売り続けるホームページはブレない■自社の製品に惚れると、10億円売れるホームページができる■眠れる財産を掘り起こすと、10億円売れるホームページが作れる■10億円売れるホームページは、ライバルを作らない■10億円売れるホームページだけが知っている、巨大マーケットの発見方法■10億円売り続けるホームページを作るには、リピート率を上げよう■10億円売上げるホームページがやっている、利益率を高めるコツ
関連企業のサイト:ストックフォト イラスト ネットストリート ホテル予約サイト タウン情報 出張 事業継承 シミュレーション トランクルーム 優待映画チケット 田舎暮らしガイド オリジナルTシャツ ニタコエ

 

[ 207] 来るべきWeb3.0の世界 | WIRED VISION
[引用サイト]  http://wiredvision.jp/blog/sasaki/200802/200802261000.html

前回、情報流通プラットフォームがブラックボックスになってしまっている現状を書いた。「情報の粘着性」仮説においては、情報が存在している場所こそがイノベーションの発生源となる。だがWeb2.0の世界では、情報の流通を司っているのはアマゾンやグーグルなどのプラットフォーム企業であり、これら企業に情報が集中する。従ってイノベーションは、プラットフォームに集中していくということになる。
Web2.0の世界においては消費者は自分が何を欲しているのかはもちろん知っているが、他の消費者が何を求めているのかは知らない。メーカーは、アマゾンやグーグルなどのプラットフォーマーに遮られて、直接消費者と対話することができない。だからやはりニーズの情報は持つことができない。すべての消費者がすべてのメーカーの商品をどう購入しているのかという情報を知っている、流通部分を握っているプラットフォーム企業こそが、すべての情報を握り、自動的にイノベーションも生み出していくというわけだ。
このブラックボックスを破壊し、プラットフォームにおける情報流通を、可視化できたらどうなるのだろうか? そこで情報の粘着性は弱まり、イノベーションが起きる場所は移動可能になるのだろうか? 実際のところ、最近言われるようになったソーシャルメディアやパーソナライゼーションなどといった試みは、ウィキノミクス的観点から言えば、この部分の情報流通を消費者に可視化させてしまおうという企てにほかならない。
ソーシャルメディアとパーソナライゼーションは、単語だけを取り出して見てみると、別の方向の話のようにも見える。ソーシャルメディアはご存じのように、人間同士のつながり(最近はこれをソーシャルグラフと呼んでいる)をベースにしてさまざまな情報を流通させるという仕組みだ。そしてパーソナライゼーションは、これまで不特定多数向けに提供されていた最大公約数的な情報を、ひとりのユーザーの属性や行動履歴をもとにしてそのユーザーに最適なかたちに集約させるという仕組みである。そうやって説明すると方向はたしかに逆なのだが、しかし一方で、情報の流通を可視化させるため、情報アクセスのコンテキスト(背景)を絞り込んでいくという意味においては同じ方向性でとらえることも可能だ。
もう少し別の切り口で説明してみよう。人が情報にアクセスするとき、その情報を求めるという行動のコンテキストはどこに求められるのだろうか。たとえばある日私が、「医療崩壊」というキーワードについて情報を探したとする。なぜ私は、医療崩壊について調べようと思ったのか。
(2)同じ会社の同僚が、医療崩壊について「これはわれわれの仕事にも関係するかもしれないから、きちんと情報を押さえておいた方がいいんじゃないかな」と言ったので、調べておくことにした。
(3)私の妻が夕食の席で「最近は医療崩壊で、産婦人科にかかることができなくなったりしているらしい」と話した。それで気になって調べた。
この中で(1)は、マスメディアからの影響である。そして(2)と(3)は、マスメディアほど圏域は大きくないけれども、自分の周囲にいる人たちからの影響によって情報を調べようとした場合。(4)は私の行動履歴に基づいた情報アクセスであり、(5)は私の属性に基づいた情報アクセスである。これらをもう少し整理すると、以下のような並びになる。
この三つの圏域は、多重円となってユーザーの周りを取り巻いている。「仲間圏」は正確に言えば、必ずしもお互いに顔を見知っている友人だけを指すとは限らない。たとえばアマゾンのオンラインストアでは、どこの誰かはわからないけれども、しかし私と購買行動の似ている人たちの購買履歴と私の購買履歴を協調フィルタリングという技術によって比較し、「この商品を購入した人は、こんな商品も購入しています」というレコメンデーションを行っている。これも仲間圏というコンテキストに基づいた情報アクセスのひとつだ。
このような多重円をイメージしていただければ、情報アクセスのコンテキストという切り口においては、パーソナライゼーションとソーシャルメディアは同じ方向性、同じ土俵で語られるべきアーキテクチャであるというのが理解できたのではないかと思う。
そしてこれら多重円化した情報アクセスコンテキストは、情報の流通をユーザーに対して可視化させることにもなる。なぜならこのようにして情報アクセスのコンテキストを確認するという作業は、すなわち分散していた情報をユーザー(私)のもとに再集約させる仕組みでもあり、つまりはWeb2.0の世界でフラット化し拡散していた情報を、再びシステムによって拾い集めて、私のもとに結集させることになるからだ。この情報の再集約の仕組みを、Web3.0という言葉で説明している人もいる。たとえばこのウェブ3.0の姿をつかめ:何がキモになるのか?というCNETの記事などがそうだ。
いずれにせよ、再集約された情報は、少なくとも私にとってはすべてが可視化され、透明になる。これまでプラットフォーム企業だけが握っていたニーズ情報が、私の圏域にも流れ込んでくるわけだ。もちろん他人のニーズ情報は全面的には私のところにはやってこないけれども、しかし先の多重円モデルで言えば、私の外側のすぐ近いところにいるソーシャルネット(たとえば同じ会社のプロジェクトチームの同僚、家族、恋人などの狭い人間関係)のニーズ情報は、私のところにやってくる。多重円の中心に近い部分はある程度透明化され、私の圏域において可視化されることになるのだ。
Web2.0で情報がどんどん拡散していった世界では、その拡散していく情報の場を司っていたプラットフォーム企業が、情報を握っていた。情報の粘着性仮説で言えば、これらプラットフォーム企業のところに情報はまつわりついていたのである。しかし来るべきWeb3.0の世界では、情報はユーザーに向かって再度集約を開始し、ユーザーのところにかなりの量の情報が集まってくる。となってくると、この世界において情報を握るのは、ユーザー個人ということになるかもしれない。情報の粘着性仮説を再び使わせてもらえば、すなわちこのユーザー個人という場にニーズ情報は集約され、この個人がイノベーションの発生源になるかもしれないのだ。
私は先日、書籍の取材でニフティの佐藤寛次郎さんに会った。プロフィールサービスの「アバウトミー」を担当している彼は、こんな話をしてくれた。
「今後の可能性としては、ブログのネットワーク化っていうのがすごく個人的にも興味があります。そこが昔のニフティサーブのパブリックなフォーラム掲示板とは異なっていて、同じセンスや同じ感性、同じにおいを持つ人同士がつながることのできる場というのは、ひょっとするとイコールリアルなのかもしれません。そのリアルをつなげるのは、企業とコンシューマーをつなぐことのできるニフティのような会社かもしれない。もしニフティがそういう役割を担えれば、ネットワーク化ができると思うんです。すると、企業が一般のコンシューマーのフィードバックを得るために、ニフティに何らかの相談をしてくるっていうイメージになる。そういうことは近い将来起きてくるんじゃないかと思います」
ソーシャルメディアが、イノベーションの発生源となり、そうしてこの部分でのイノベーションを運営企業を経由させることによって具現化させるというプロセスが、ここでは語られている。次回はこのプロセスの部分について、もう少し詳しく論考していきたい。

 

戻る

ディックのサイトです。

ディックのサイトです。