ウェハとは?/ ディック
[ 310] カーボン・ナノチューブ・ウエハー上に3次元構造の電子部品を集積,産総研が開発 - ナノテク・新素材 - Tech-On!
[引用サイト] http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080507/151404/
図1:集積化したカーボン・ナノチューブによる3次元形状の電子部品のレーザー顕微鏡画像と電子顕微鏡画像 図3:垂直配向カーボン・ナノチューブ・フィルムの電子顕微鏡写真(左)と,カーボン・ナノチューブ・ウエハーの光学顕微鏡写真(右)。右の挿入図は2×2cm基板上のカーボン・ナノチューブ・ウエハー 図4:さまざまなカーボン・ナノチューブ構造体の電子顕微鏡写真。左上はSiピラー上のカーボン・ナノチューブ・ビームおよびカーボン・ナノチューブ・シート。右上はカーボン・ナノチューブ・カンチレバー,左下はカーボン・ナノチューブ3次元カンチレバー。右下はカーボン・ナノチューブ3次元配線 産業技術総合研究所(産総研)は,単層カーボン・ナノチューブを用いた集積3次元カーボン・ナノチューブ部品の作製に成功した(発表資料)。カーボン・ナノチューブを高密度に配向させた「カーボン・ナノチューブ・ウエハー」を開発したことで,リソグラフィによる微細加工技術の利用を可能にした。これにより,任意の場所に任意の形状の電子部品構造を作製できる。例えば,カーボン・ナノチューブによる3次元形状の電子部品を,基板上に1000個以上集積した(図1)。加えて,この電子部品の電気駆動に成功した。 カーボン・ナノチューブ・ウエハーは,以下の手順で作製する(図2)。(1)Si基板上に,触媒を線状にパターニングする。(2)産総研が2004年度に開発した水分添加CVD法(スーパーグロース法)を利用して,Si基板上に垂直配向のカーボン・ナノチューブ・フィルムを作製する。(3)基板を液体に浸し引き上げることにより,カーボン・ナノチューブ・フィルムをSi基板上に倒伏させる。(4)倒伏したカーボン・ナノチューブ・フィルムが,液体の乾燥と共に高密度化しながら基板に密着し,カーボン・ナノチューブ・ウエハーとなる。 カーボン・ナノチューブ・ウエハーは,フォトマスク用のレジストを塗布しても壊れることなく,リソグラフィ技術によって任意の形状に加工できる。また,Si基板上にあらかじめ用意した溝などの上に,カンチレバー状などのカーボン・ナノチューブ構造体を作製することも可能。カーボン・ナノチューブ・ウエハー自体も,3次元的な形状を保持できる。実際に産総研は,集積したカーボン・ナノチューブの3次元カンチレバーや,3次元配線を作製した(図4)。 カーボン・ナノチューブ構造体の導電性を利用し,電気駆動が可能である。例えば,すべての電極がカーボン・ナノチューブから成るカーボン・ナノチューブ・リレーを作製し駆動させた。ゲート電極に電圧を印加することで,カーボン・ナノチューブ・カンチレバーの機械的スイッチングに成功した(図5)。 産総研は今後,カーボン・ナノチューブ・ウエハーの物性評価を行い,その特性を活かすカーボン・ナノチューブ部品の開発を進める。企業や大学との連携を重視し,カーボン・ナノチューブ・フィルムを提供する予定である。 Tech-On! 全体ニュースコラム用語辞典編集部ブログ雑誌記事紹介イベント書店特設サイト英語ニュース 個人情報保護方針/ネットにおける情報収集について/個人情報の共同利用について |環境方針 |日経BP社へのお問い合わせ |
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