床ずれとは?/ アイフル
[ 295] 床ずれ交番
[引用サイト] http://www.tokozure-kouban.ne.jp/chiryou/index.html
表皮あるいは真皮に至るが、皮下組織に至らない皮膚の部分欠損。発赤(紅斑)を伴う水疱や硬結も含む。創傷底は湿潤で、ピンク色。痛みを伴う。壊死物はない。 真皮全層を超え、皮下組織に至る全層欠損。痂皮で被われていない限り、浅い潰瘍がある。壊死組織、ポケット形成、皮下交通、滲出液、感染の可能性がある。創傷底は通常痛みを伴わない。 皮下組織を超え、筋膜、筋層、関節、骨に達する深い組織欠損。壊死組織、ポケット形成、皮下交通、滲出液、感染の可能性がある。創傷底は通常痛みを伴わない。 褥瘡の治療の中で最も優先されるべきものは、創部の治療ではなく除圧です。また栄養状態が悪い場合には、創部の回復は非常に遅れます。場合によっては悪化につながります。基礎疾患の改善も重要です。「除圧や全身状態の改善なくして、褥瘡の治癒はあり得ない」と言っても決して言い過ぎではないはずです。 褥瘡スケール(ノートン、ゴスネル、ブレーデンのスケール)は予防のためだけにあるのではありません。褥瘡治療を行っている患者さんにも定期的に褥瘡スケールを用いて、現在治療を行っていくに十分な条件にあるかどうかの判定を行いましょう。少しの訓練を行えばブレーデン・スケールが、最も簡単にその時点でのリスクファクターを示してくれるでしょう。アセスメントなくして、適切な看護も治療もあり得ません。 除圧目的によく使われるドーナツ型のクッション(円座)は、血管の圧迫による創部のうっ血や虚血、円座による深部組織のずれと圧迫、体位が制限されるなどのほか、創部に疼痛はなく、周囲皮膚に疼痛があるため、患者は、円座の圧迫の大きい部分を創部に当てようとするなどの弊害を生じることがあり、かえって逆効果となることがよくあります。 ラバーシーツは、通気性が悪く皮膚が湿りやすいうえ、ベッドやエアマットの体圧分散効果を半減させ、血行が阻害されることがあります。特に仙骨部への影響が大きいです。ラバーシーツは用いない方がよいでしょう。 エアーマットは、エアーの入れ過ぎでパンパンになると、かえって褥瘡を作ったり、悪化させたりする危険性さえあります。エアーマットは体にかかる圧を分散させるため、エアーをいっぱいにしないで、体が底付きしない程度まで圧を落とすのが正しい用い方です(図1)。 体位変換時、寝衣やオムツ交換等の処置時に、介護に支障があるならば、その時だけエアーを十分に入れると良いでしょう。ただし処置後にエアーマットの内圧を元の低圧に戻すのを忘れることがしばしばあるようですので、ご注意下さい。 エアーを噴出するタイプのエアマットがあります。寝衣や皮膚を湿潤にしないというメリットがありますが、エアーを噴出させるためには低圧保持ができず、また創部が乾燥する可能性がある上に、MRSAなどの細菌を室内に飛散させる可能性もあります。 細長いエアセルの並んだセル型のエアマットと亀の甲の形をした一体形成型では、セル型のほうが褥瘡発生率が1/2に抑えられます。エアセルの数によっても効果は大きく異なります。エアセルは20本以上あるものを選んで下さい。また、マットの材質により、耐久性は大きく異なります。少なくとも耐久性の弱い塩化ビニル製のエアマットは避けたいものです。エアポンプも低圧保持のできるようにコンピュータが入っているものは、管理が容易になります。 少なくとも褥瘡発生のリスクの高い患者さんや、すでに褥瘡のできている患者さんには一体形成型ではなくエアセル型のエアマットを使うべきです。(表3) 患者さん全員に一律な体位変化スケジュールを行うことには無理があります。麻痺や拘縮のため、ある方向への体位をとることは困難であるかもしれませんし、褥瘡がすでにできている場合には、創部を下にする体位はできるだけ避けたいものです。 また体位変換は3方向(仰臥位、両側臥位)が多いですが、30度の半側臥位や座位を組み合わせ、特定部位の圧迫の影響をできるだけ避けるようにしましょう。臀部には骨がないため、30度の半側臥位は骨突起部への圧迫が少なくなります(図2)。 ベッドを30度以上ギャッジアップすると体は足の方向にずり落ちていきます。このときに摩擦やずれを生じ褥瘡発生の原因となります。膝をまず曲げてからギャッジアップし、角度は30度までとするとよいでしょう。また長時間のギャッジアップは、殿部に大きな体圧がかかるので避けたいものです。 ただし脳血管障害の急性期には、膝を曲げてギャッジアップされた姿勢は、健側の上下肢の動きまで制限しますので適しません。 圧迫による発赤のある皮膚に、血行を改善するためにマッサージをすることがありますが、マッサージは禁忌です。皮膚の下の骨突起部に近い部分は皮膚よりも広い範囲で大きな力が加わっている上に損傷しやすい部分でもあります。皮膚には単に発赤が認められるだけでも、骨に近い軟部組織は大きな損傷を受けているので、マッサージによって、軟部組織の損傷と炎症を進行させてしまいます。 褥瘡ができているからという理由で、入浴を中止するのはかえって逆効果です。褥瘡患者こそ皮膚の清潔が必要であり、入浴によって血行促進も期待できます。壊死物や滲出液があるときは、創が汚染されないようにポリウレタンフィルムドレッシングか閉鎖性ドレッシングで密閉して入浴するとよいでしょう。特に浴槽を共同で使用するときは、感染予防にもなります。 肉芽形成しているときはドレッシングは必要とせず、湯上がり時にシャワーで創の洗浄を十分に行います。入浴後の創の消毒は必要ありません。 皮膚は常に清潔を保ち、湿潤を避けるように心がけましょう。全身状態が許せば、入浴の回数はできるだけ多くとりたいものです。入浴ができないときには、全身清拭、部分清拭、足浴を行います。清拭は重症の患者さんにも行えますし、清拭時に全身の観察もできます。 失禁対策にオムツを使用すると皮膚の湿潤は避けられません。湿潤している皮膚は、オムツ交換時の摩擦やずれにより褥瘡の発生や悪化の原因となります。さらに下痢をしていると水様便のより皮膚障害をおこしやすく、仙骨部や坐骨結節部の褥瘡の原因となります。できれば採尿器や失禁用パッドの使用を考慮しましょう。 オムツ使用時は、皮膚の湿潤を避けるため、石鹸を用いず、皮膚清拭剤を用いると皮膚の清拭回数を減らすこともできます。排便時には、市販の消炎剤と皮膚保護剤が含まれているスプレータイプのものを用いると便利です。やむなくオムツを使用するときは、できるだけ頻回に新しいものと交換することは言うまでもないことです。 またバルーンカテーテルを用いても、便失禁のためオムツが必要となるだけでなく、複雑性尿路感染症や排尿障害の原因となります。 寝たきりの人は失禁を恐れ、水分摂取を控えていることがある。水分不足から濃縮尿となり、膀胱粘膜を刺激し、かえって失禁や頻尿をまねく結果になる。 創部は洗浄するものであって、清拭するものではありません。清拭によって創に細菌をこすりつけることになってしまいますし、創部の細菌や膿を周囲皮膚に拡げる結果にもなってしまいます。さらによくないことに、摩擦を加えることにより脆弱となっている組織を傷害し、肉芽組織や再生上皮に損傷を加えてしまいます。 創の処置は、消毒ではなく洗浄が基本です。できるだけ多い量の洗浄水で圧をかけて洗浄しましょう。洗浄により、創部に残った薬剤、膿、過剰の滲出液、さらには細菌も洗い流すことができます。ポケット形成した褥瘡では、ポケットの中も十分に洗浄しなければいけません。洗浄水の量を増やしただけで、治癒までの時間が短縮され、結果的に褥瘡患者さんの数が減った施設もあります。 洗浄の際には、絶対にガーゼや綿球で創をこすってはいけません。特に良性の赤い肉芽が形成されてきたら注意が必要です。新しくできた肉芽は脆く、擦過によって容易に壊れ、出血してしまいます。また再生上皮も非常に脆いため、擦過によって容易に剥離されてしまいます。 化膿していない創は、洗浄が十分であれば消毒の必要はありません。皮膚に細菌が存在するように、ほとんどすべての褥瘡には細菌が存在します。創面を完全な無菌状態にする必要はありません。創面に細菌が存在していても褥瘡は治癒します。特に肉芽形成期以後は、創面に菌が付着しているに過ぎません。また消毒薬を多量に用いて、綿球でいくらこすっても、創の深部や組織内には細菌が残っています。さらに消毒で除菌ができたとしても、短時間で菌数は元に戻ってしまいます。 消毒薬は、細胞障害があるといわれています。肉芽が形成されてくれば消毒薬は使わなくても構いません。しかし炎症期では化膿していたり、MRSA感染をおこしていることもあります。このような場合には抗菌剤や抗生剤の外用薬が第一選択ですが、消毒薬も用いるべきです。 ポビドンヨードの細胞障害は確かに報告されています。それは高濃度のものを多量に用いた試験管内の実験によるもので、適切な濃度と量で人体に用いたとしても大きな影響はないと考えられます。また滲出液や血清成分が存在したり、壊死物により複雑な創面を形成している人体では、試験管内の実験より効果も低下し作用発現時間も長くなると考えられます。1〜2分後に洗い流したとしてもなんら問題はありません。 消毒剤は適切な濃度で使用しなければ効果を発揮しません。洗浄液にポビドンヨード(イソジンなど)を混ぜても、消毒効果のない低濃度の消毒液ができるだけで、無意味なことです。 ICU、外科病棟、透析病棟、極度の免疫不全の患者さんのいるユニットなどでは、厳重なMRSA対策が必要です。しかし通常の内科病棟、老人ホーム、特別養護老人ホームや家庭では、先に述べたユニットほど厳重なMRSA対策を行う必要はありません。過剰のMRSA対策は患者さんの差別につながったり、人権に関わることもあります。 ドライヤーや日光浴などで創部を乾燥させることは、創傷治癒の遅延につながります。乾燥は、創傷治癒過程で重要な白血球、マクロファージや細胞増殖因子の遊走を阻止する上、組織の脱水から壊死をきたしたり、細菌増殖の温床となり創感染の原因となります。創部は創傷治癒を円滑に進行させるために適切な湿潤状態を保たなければなりません。 ただし一日に数回ガーゼ交換しなければならないくらいの滲出液は、過剰の湿潤状態を作っています。これは炎症が進行しているためにおこるもので対策が必要となります。 注射用抗生剤の局所への散布は、単に保険適用がないだけでなく、深部や組織内への薬剤の浸透力が弱く効果が少ない上、新たな耐性菌をつくる可能性もあり、慎むべきです。 炎症の強い時にには、褥瘡は黒色の痂皮や黄色の壊死物で被われています。この時期にデブリードメントを避けて治療はできません。デブリードメントの不足は、組織の再生を遅らせるばかりでなく、細菌の温床となります。壊死組織をできるだけ早く除去することが組織の再生を促進し、感染を防ぐことになります。 褥瘡は、痂皮や壊死物で被われる炎症の強い時期と、肉芽や上皮が形成される再生の盛んな時期に分けることができます。炎症の強い時期には、壊死物の除去、過剰の滲出液の除去、感染対策に適した薬剤や治療材料を選択し、再生の盛んな時期には、肉芽形成や上皮形成を促進させる薬剤や治療材料を選ぶべきです。炎症の強い時期がすみ、再生の盛んな時期に入れば、全身状態が許せば外科的な閉鎖術(単純縫合、皮弁術、筋皮弁術など)の方が適している場合もあります。 また効果のない薬剤を漫然と使用することは、いたずらに治癒までの時期を長引かせるだけであり、場合によっては悪化につながることもあります。少なくとも1〜2週間に1回は現在使用している薬剤が適切かどうかアセスメントする必要があります。 ハイドロコロイドドレッシング(デュオアクティブドレッシング、コムフィールなど)を創の大きさに合わせてハサミで切っているのを見かけることがありますが、・ハイドロコロイドの量が不十分である、・ゲル化したハイドロコロイドが横漏れしやすい、・創縁の脆弱な部分に圧がかかる、などの弊害があるのでよくありません。ハイドロコロイドドレッシングは、創周囲の健常部を2〜3cm被う大きさか、大きな褥瘡なら創の直径の2倍以上のものが必要です(図3)。 |
[ 296] 床ずれ
[引用サイト] http://www.kikubarisick.com/bedsore/bedsore.html
怪我や病気、様々な理由によって人は長期間寝たきりで生活をしなくてはならない場合があります。 治療の為に横になっている状態なのにも関わらず、時には床ずれ(褥瘡:じょくそう)と言う症状をもたらす場合も少なくありません 長時間寝たきりになっていると、どうしても同じ場所が圧力を受けます。 圧力が掛かる事でだんだん皮膚の血流が滞り、やがて皮膚や筋肉にくすみや壊死を引き起こす場合があります。 その人に苦痛を与えるだけではなく衰弱や様々な病気を誘発、最悪命を落とす危険性もあるのです。 特に、寝たきりなど自力で体を動かす事が出来ない人にとって、非常に辛い状況なのです。 そうならない為にも、他の人間が充分に気に掛ける必要があります 長時間同じ体勢でいる事で圧力が掛かり、血行が悪くなった結果、床ずれを引き起こすと上記で説明しました。 床ずれは、私達が睡眠中に無意識に行っている寝返りによって回避されています。人間は無意識の中でも、圧力を受け続けると危険だと分かっているのでしょう。本来、血行が阻害されている時に不快感や痛みを察知して床ずれを防ぎます。一歩間違えれば、寝たきりや闘病人じゃない人も床ずれになる可能性は充分にあるものなのです。 しかし、寝たきりの人は自力で寝返りを打つ事が出来ない人もいます。 寝返りが打てない事でその部分の血行が悪くなり、皮膚が循環障害を起こして皮膚や筋肉がくすんで痛みを伴います。 その原因以外にも、その人の栄養状態、体のむくみ、知覚障害、皮膚や衣類の不潔や湿潤なども関係すると思われます。その人が寝たきりであった場合、これらのほとんどは看護している人間の注意で防ぐ事は可能であり、世話をする人間に重大な責任が問われます。 特に、看護師でこう言った患者さんを出してしまった場合は恥とすら言われる可能性もあります。 圧力が掛かりやすい場所は存在しており、必然的にその場所が床ずれを起こしやすくなっています。 膝や肘、後頭部、肩甲骨、かかとなど、骨の突出した部分が起きやすいのが分かります。 最も体重の掛かっている臀部には、全体重の内、五割もかかっていますので最も危険な場所とされています。予防グッズを使用する場合は、それらの部分に対して特に注意を払いましょう。 よく「患部をマッサージすると効果的」とされていますが、これは大きな間違いです。 これは逆に悪化させるおそれのある行為なのです、それを知らず、良かれと思って行っている人が多いのもまた事実です。なぜマッサージが危険かと言うと、患部が赤くなっているだけでも、骨付近の軟部組織はすでに大きなダメージを受けています。例えマッサージ程度の衝撃でも、損傷と炎症を促進させて逆効果へと繋がります。 なるべく患部には触れず、そっとしておく方が治療に効果的と言えます。同様に「患部を乾燥させる」と言うものがありますが、これも大きな間違いです。そのままにしておいた方が細胞の増殖を助け、回復へと繋がるのです。乾燥させてしまうと、患部の悪化に繋がるだけではなく創感染に繋がる危険性もあります。 寝たきりの老人が増え、床ずれの患者数も必然的に増えつつある現在。 それへの対策とも言える「床ずれ専門看護師」が急増し、多くの病院で採用しています。 寝たきりの老人は増加傾向が予想されるこれから先、床ずれに対するスペシャリスト達が増える事で、床ずれ患者減少への期待が寄せられます。 初期の段階であれば応急処置として、これ以上の細菌感染を防ぐ為に清潔な状況を保つ様に心掛けましょう。 少々熱いお湯にタオルを浸し、患部に優しく当てておくと良いでしょう。それに加えて下記に記した予防法を合わせて行い、患部の悪化を防ぎます。ただし、これはあくまでも初期段階での有効策であり、状況が進んでいる場合は悪化させる恐れがあります。赤くなっているだけでなく水ぶくれや穴が出来るほど酷い状況の場合、この療法は危険すぎますので必ず医師の診断を受けて下さい。また、初期の段階であっても早めに医師の診断を受けた方が回復は早いので、一刻も早く診断を受ける事をオススメします。 初期段階でも、床ずれになれば患者さんにとって大きな負担となります。 考えられる最悪の事態を避ける為にも、事前に床ずれ予防対策を行いましょう。 |
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