流動とは?/ ディック
[ 414] 「流動性知能」を向上させるソフトウェア | WIRED VISION
[引用サイト] http://wiredvision.jp/news/200805/2008050723.html
脳専門の研究者らが、「流動性知能」と呼ばれる一般的な問題解決能力について、向上させる方法を初めて発見したと発表した。 流動性知能は、人々が新しい状況に適応したり、これまで経験したことのない問題を解決するのに用いられる能力だ。これと対をなす概念は結晶性知能で、こちらは語彙や文法、計算など、習得された技能や知識を指す。 流動性知能に関しては、これまで遺伝的に固定されたものだと考えられてきた。[流動性知能は、学習や経験、教育や文化の影響を受けない知的能力であり、結晶性知能では役に立たない、新しい状況や未知の問題に対して柔軟に対応する能力とされている。なお、ウェクスラー式知能検査では、「言語性尺度」が結晶性知能を測定し、絵画配列や組み合わせ尺度などの「動作性尺度」が流動性知能を測定しているとされている]。 しかし今回の研究結果は、1日25分間の厳しい頭脳訓練によって、健康な成人の知的能力が向上する可能性があることを示唆している。 この手法が商品化されれば、任天堂の『脳を鍛える大人のDSトレーニング』のような「脳フィットネス」ソフトウェアの、成長途上にある数百万ドル規模の市場に、さらなるはずみをつけるかもしれない。 スイスのベルン大学で博士号を取得した、ミシガン大学の生理学研究者Martin Buschkuehl氏は次のように述べている。「われわれの研究の最も重要なポイントは、流動性知能を向上させることが可能だと証明できるということだ。以前は、流動性知能は変化しないものだと考えられていた」 問題は、IQテストの解き方を学ぶことが、根本的な知性を改善することにはならないということだ。学生は、単にテストを解くのが上達するだけだ。 テクニックの点に関しては、人はテストを上手に解けるようになるが、それは、日常生活において超高速で回転する新しい頭脳を得ることにはつながらない。 「能力を移転させることは難しい。タスクAで訓練しても、通常はタスクBの能力を向上させることにはならない」とGeary氏は述べている。 Buschkuehl氏のチームはn-バック課題について、作業記憶(被験者が頭に保持できる情報量)のほか、脳の集中をコントロールする能力を向上させると主張している。流動性知能のテストでは、こうした種類の知力が要求されるが、n-バック課題の訓練によってこれらの潜在的な技能が改善されたのだ。 「これらは興味深い結果だ」とGeary氏は語る。しかし、流動性知能が実際に向上したと主張するには、被験者の能力が長期、さらには永続的に改善されたことを示す必要があると、同氏は指摘している。 Buschkuehl氏のチームは現在、n-バック課題の訓練による長期的な効果についての研究に従事している。また、被験者が受ける訓練の量を増やすことにも取り組んでいる。PNASに発表された今回の実験では、能力向上の上限については明らかになっておらず、訓練を増やすことで能力をさらに向上できる可能性もあることを示唆している。 最も単純なn-バック課題では、数秒ごとに一連の画像が提示され、たとえば2つ前に見たものなど、すでに提示された画像とまったく同じものを選ぶよう求められる(上の図の場合、青の四角形が同じ位置にあるものを選ばなければならない)。 しかし、Buschkuehl氏の実験の場合、被験者は絶え間なく続くアルファベット(C、P、T、G)の音声も聴かされており、画像を合わせるのと同時に音声も一致させなければならなかった。このため、課題が非常に難しくなっている。被験者の能力が向上するにつれ、一致させる画像と音声の種類が増えるので、課題を進めるにつれ、より難しくなるという仕組みになっている。 |
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